嫌われる勇気 いまにスポットライトを当てる勇気

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「あなたは偽善者だ」

「それは極論です」

「冗談じゃありません」

意気盛んな青年が哲人との対話によって明らかにしていく勇気の心理学。

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アドラー心理学

見通が立たない未来を選ぶ勇気

人が不幸であるのは過去や環境のせいではなく、「幸せになる勇気」が足りない

自分の真価が問われる時、本当の可能性に向き合った時、勇気をくじかれて道を引き返したことはありませんか。

多くの人は、調和の取れた生活を変える「勇気」を持ち合わせていません。

見通しが立たない生活は人を不安にさせ、多少の不満や不自由があっても今のままでいる方が楽だと思わせます。

最初の一歩を踏みとどまってしまうのは能力がないのではなく、勇気が不足しているのです。

お前の顔を気にしているのはお前だけ

「自分の信じる最善の道を選ぶこと」

それだけです。

劣等感とは他者との間の中で生まれた主観的な解釈であり、いくらでも捉えようがあります。

他者の目線を気にしてばかりでは、劣等感から抜け出せません。

我々は他者の期待を満たすために生きているのではありません。

他者の視線を気にすることは、他者の課題を自分の課題として引き受けてしまっていることになります。

他者が自分をどう受け取るかは他者の課題であって、それを自分の課題として取り組んでいく必要はないのです。

「自分の課題と他者の課題を分離して考える」とは、「自分の信じる最善の道を選ぶ」ということだと思います。

自分を信じることができれば、自然と劣等感という負の感情は影を潜めていくのではないでしょうか。

いかに生きるべきかという壁

他者の評価を気にかけず、嫌われることを恐れず、承認されないかもしれないというコストを支払わない限り、自分の生き方を貫くことはできない。

承認欲求を満たすために他者の顔色を伺いながら生きていくのは不自由な人生です。

しかし人は不自由であっても生きやすい方向へ流れていきます。

嫌われないように、期待に応えられるように、空気を壊さないように、自分に嘘をついて他者にも嘘をつく生き方です。

「欲望と衝動の赴くままに生きることは欲望と衝動の奴隷でしかない」

哲人はカントの定義する「傾向性」を青年に説明しながら、欲望と衝動に委ねる人生か、理性を頼りにそれに抗う人生かを選ぶのは自分なのだと諭します。

  • 他者からの承認を選ぶのか、承認なき自由を選ぶのか
  • 欲望の赴くまま転がり落ちる人生か、踏ん張って欲望に抗う人生か

自分の人生をいかに生きるかを考えるゆえに、こういった迷いが必ず生まれます。

ここで哲人は「自由とは、他者から嫌われることである」と言い切ります。

自分が変わるための心理学

人生最大の嘘とは「いまここ」を生きないこと、そして

人生の意味は「いまここ」を真剣に踊りきった時にこそ明らかになる

私たちは目的地に着くための道のりを仮の人生と捉えがちです。

しかし人生には(仮)などなく、すべてが本番であり「いまここ」という一瞬の連続です。

「いまここ」という点が無数に連なり、今の自分を形作っています。

哲人は「今を生きる」とは、目的地に到達していない過程をいかに生きること、または過程そのものを結果とみなすように生きることであると言います。

過去が見えるような気がしたり、未来が予測できるような気がしてしまうのは、あなたが「いまここ」を真剣に生きておらず、うすらぼんやりとした光の中に生きている証拠です。

未来のための免罪符として「いま」を生きるのか、「いまここ」にスポットライトを当てて生きていくのか、ここまでくると自ずと答えが導き出されてきます。

「いまここ」から目を背けない勇気を無くしてはいけませんね。

参考文献

嫌われる勇気

著者:岸見一郎 古賀史健

出版:ダイヤモンド社

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